箴言6-7; Ⅱコリント2

箴言

第6章

6:1わが子よ、あなたがもし
隣り人のために保証人となり、
他人のために手をうって誓ったならば、
6:2もしあなたのくちびるの言葉によって、わなにかかり、
あなたの口の言葉によって捕えられたならば、
6:3わが子よ、その時はこうして、おのれを救え、
あなたは隣り人の手に陥ったのだから。
急いで行って、隣り人にひたすら求めよ。
6:4あなたの目を眠らせず、
あなたのまぶたを、まどろませず、
6:5かもしかが、かりゅうどの手からのがれるように、
鳥が鳥を取る者の手からのがれるように、
おのれを救え。
6:6なまけ者よ、ありのところへ行き、
そのすることを見て、知恵を得よ。
6:7ありは、かしらなく、つかさなく、王もないが、
6:8夏のうちに食物をそなえ、
刈入れの時に、かてを集める。
6:9なまけ者よ、いつまで寝ているのか、
いつ目をさまして起きるのか。
6:10しばらく眠り、しばらくまどろみ、
手をこまぬいて、またしばらく休む。
6:11それゆえ、貧しさは盗びとのようにあなたに来り、
乏しさは、つわもののようにあなたに来る。
6:12よこしまな人、悪しき人は
偽りの言葉をもって行きめぐり、
6:13目でめくばせし、足で踏み鳴らし、指で示し、
6:14よこしまな心をもって悪を計り、
絶えず争いをおこす。
6:15それゆえ、災は、にわかに彼に臨み、
たちまちにして打ち敗られ、助かることはない。
6:16主の憎まれるものが六つある、
否、その心に、忌みきらわれるものが七つある。
6:17すなわち、高ぶる目、偽りを言う舌、
罪なき人の血を流す手、
6:18悪しき計りごとをめぐらす心、
すみやかに悪に走る足、
6:19偽りをのべる証人、
また兄弟のうちに争いをおこす人がこれである。
6:20わが子よ、あなたの父の戒めを守り、
あなたの母の教を捨てるな。
6:21つねに、これをあなたの心に結び、
あなたの首のまわりにつけよ。
6:22これは、あなたが歩くとき、あなたを導き、
あなたが寝るとき、あなたを守り、
あなたが目ざめるとき、あなたと語る。
6:23戒めはともしびである、教は光である、
教訓の懲しめは命の道である。
6:24これは、あなたを守って、悪い女に近づかせず、
みだらな女の、巧みな舌に惑わされぬようにする。
6:25彼女の麗しさを心に慕ってはならない、
そのまぶたに捕えられてはならない。
6:26遊女は一塊のパンのために雇われる、
しかし、みだらな女は人の尊い命を求める。
6:27人は火を、そのふところにいだいて
その着物が焼かれないであろうか。
6:28また人は、熱い火を踏んで、
その足が、焼かれないであろうか。
6:29その隣の妻と不義を行う者も、それと同じだ。
すべて彼女に触れる者は罰を免れることはできない。
6:30盗びとが飢えたとき、
その飢えを満たすために盗むならば、
人は彼を軽んじないであろうか。
6:31もし捕えられたなら、その七倍を償い、
その家の貨財を、ことごとく出さなければならない。
6:32女と姦淫を行う者は思慮がない。
これを行う者はおのれを滅ぼし、
6:33傷と、はずかしめとを受けて、
その恥をすすぐことができない。
6:34ねたみは、その夫を激しく怒らせるゆえ、
恨みを報いるとき、容赦することはない。
6:35どのようなあがない物をも顧みず、
多くの贈り物をしても、和らがない。

第7章

7:1わが子よ、わたしの言葉を守り、
わたしの戒めをあなたの心にたくわえよ。
7:2わたしの戒めを守って命を得よ、
わたしの教を守ること、ひとみを守るようにせよ。
7:3これをあなたの指にむすび、
これをあなたの心の碑にしるせ。
7:4知恵に向かって、「あなたはわが姉妹だ」と言い、
悟りに向かっては、あなたの友と呼べ。
7:5そうすれば、これはあなたを守って遊女に迷わせず、
言葉巧みな、みだらな女に近づかせない。
7:6わたしはわが家の窓により、
格子窓から外をのぞいて、
7:7思慮のない者のうちに、若い者のうちに、
ひとりの知恵のない若者のいるのを見た。
7:8彼はちまたを過ぎ、女の家に行く曲りかどに近づき、
その家に行く道を、
7:9たそがれに、よいに、
また夜中に、また暗やみに歩いていった。
7:10見よ、遊女の装いをした陰険な女が彼に会う。
7:11この女は、騒がしくて、慎みなく、
その足は自分の家にとどまらず、
7:12ある時はちまたにあり、ある時は市場にあり、
すみずみに立って人をうかがう。
7:13この女は彼を捕えて口づけし、
恥しらぬ顔で彼に言う、
7:14「わたしは酬恩祭をささげなければならなかったが、
きょう、その誓いを果しました。
7:15それでわたしはあなたを迎えようと出て、
あなたを尋ね、あなたに会いました。
7:16わたしは床に美しい、しとねと、
エジプトのあや布を敷き、
7:17没薬、ろかい、桂皮をもって
わたしの床をにおわせました。
7:18さあ、わたしたちは夜が明けるまで、
情をつくし、愛をかわして楽しみましょう。
7:19夫は家にいません、
遠くへ旅立ち、
7:20手に金袋を持って出ました。
満月になるまでは帰りません」と。
7:21女が多くの、なまめかしい言葉をもって彼を惑わし、
巧みなくちびるをもって、いざなうと、
7:22若い人は直ちに女に従った、
あたかも牛が、ほふり場に行くように、
雄じかが、すみやかに捕えられ、
7:23ついに、矢がその内臓を突き刺すように、
鳥がすみやかに網にかかるように、
彼は自分が命を失うようになることを知らない。
7:24子供らよ、今わたしの言うことを聞き、
わが口の言葉に耳を傾けよ。
7:25あなたの心を彼女の道に傾けてはならない、
またその道に迷ってはならない。
7:26彼女は多くの人を傷つけて倒した、
まことに、彼女に殺された者は多い。
7:27その家は陰府へ行く道であって、
死のへやへ下って行く。


Ⅱコリント

第2章

2:1そこでわたしは、あなたがたの所に再び悲しみをもって行くことはすまいと、決心したのである。2:2もしあなたがたを悲しませるとすれば、わたしが悲しませているその人以外に、だれがわたしを喜ばせてくれるのか。2:3このような事を書いたのは、わたしが行く時、わたしを喜ばせてくれるはずの人々から、悲しい思いをさせられたくないためである。わたし自身の喜びはあなたがた全体の喜びであることを、あなたがたすべてについて確信しているからである。2:4わたしは大きな患難と心の憂いの中から、多くの涙をもってあなたがたに書きおくった。それは、あなたがたを悲しませるためではなく、あなたがたに対してあふれるばかりにいだいているわたしの愛を、知ってもらうためであった。
2:5しかし、もしだれかが人を悲しませたとすれば、それはわたしを悲しませたのではなく、控え目に言うが、ある程度、あなたがた一同を悲しませたのである。2:6その人にとっては、多数の者から受けたあの処罰でもう十分なのだから、2:7あなたがたはむしろ彼をゆるし、また慰めてやるべきである。そうしないと、その人はますます深い悲しみに沈むかも知れない。2:8そこでわたしは、彼に対して愛を示すように、あなたがたに勧める。2:9わたしが書きおくったのも、あなたがたがすべての事について従順であるかどうかを、ためすためにほかならなかった。2:10もしあなたがたが、何かのことについて人をゆるすなら、わたしもまたゆるそう。そして、もしわたしが何かのことでゆるしたとすれば、それは、あなたがたのためにキリストのみまえでゆるしたのである。2:11そうするのは、サタンに欺かれることのないためである。わたしたちは、彼の策略を知らないわけではない。
2:12さて、キリストの福音のためにトロアスに行ったとき、わたしのために主の門が開かれたにもかかわらず、2:13兄弟テトスに会えなかったので、わたしは気が気でなく、人々に別れて、マケドニヤに出かけて行った。2:14しかるに、神は感謝すべきかな。神はいつもわたしたちをキリストの凱旋に伴い行き、わたしたちをとおしてキリストを知る知識のかおりを、至る所に放って下さるのである。2:15わたしたちは、救われる者にとっても滅びる者にとっても、神に対するキリストのかおりである。2:16後者にとっては、死から死に至らせるかおりであり、前者にとっては、いのちからいのちに至らせるかおりである。いったい、このような任務に、だれが耐え得ようか。2:17しかし、わたしたちは、多くの人のように神の言を売物にせず、真心をこめて、神につかわされた者として神のみまえで、キリストにあって語るのである。


Top